CD 檜垣智也「入院患者たち」
檜垣智也 入院患者たち
engine books - engine music / ENG-CD004 / 2021.02.28 / ¥1,800 + 税
https://www.amazon.co.jp/dp/B08WQDFWJM/
1. 入院患者たち (2016)
七里圭による映像、松井茂と山本一彰の詩によるマルチメディア・インスタレーション作品のために作曲。イスラム国(IS)を題材にした詩をMacの音声読み上げ機能で全編朗読させた57分を超える音声ファイルを15分にモンタージュした。
詩:松井茂、山本一彰、声:Kyoko, Otoya(Mac OS X)、太田真紀
初演:檜垣智也アクースマティック作品による音の個展(2016年1月26日、京都芸術センター大広間)
2. ドの音(2016)
上演空間の環境音に、薄い膜のような音響トラムを重ね合わせるシリーズの第2作。本シリーズは環境の音(できれば静かな環境が良い)が聴こえる程度に小さな音量で再生されることが望ましい。なおピアニスト寒川晶子さんが考案した「ド」の音のみに調律された特殊なピアノを全面的に使用した。
ド音ピアノ:寒川晶子、声:太田真紀、笙:牛山泰良
初演:フュチュラ2016(国際電子音響音楽祭)(2016年8月27日、エスパス・ソベラン、フランス・ドローム、アクースモニウム演奏:オリヴィエ・ラマルシュ)
3. Incorporeal(2011)
香川県豊島での二つの暗闇--クリスチャン・ボルタンスキーの心臓音のインスタレーションと真夜中の雨の神社--で収録した音を用いて、見えないものへの畏怖と恐怖を描いた。私はそれらの音に3.11以降の放射線物質と世の中の雰囲気を重ね合わせていた。
初演:檜垣智也アクースモニウム・リサイタル(2011年9月27日、アクロス福岡円形ホール、アクースモニウム演奏:檜垣智也)
4. Soniferous Garden(2020)
上演空間の環境音に、薄い膜のような音響トラムを重ね合わせるシリーズの第4作。
特別な聴取の趣向に注意を払った作品。コンサートホールの扉を開けて、外からの音を作品の中に取り入れ、ランダムに発生するドアを叩く音、足音、通行人の声、車の通りすがりの音などは、ゆっくりと展開していく音のトラムの一部となり、作品の時間全体に存在している。ジョン・ケージの有名な格言「音をありのままに」を彷彿とさせる世界に開かれたパフォーマンス作品である。(ミシェル・トジ、ResMusica 2020年8月27日より抜粋)
初演:フュチュラ2020(国際電子音響音楽祭)(2020年8月21日、エスパス・ソベラン、フランス・ドローム、アクースモニウム演奏:ジョナタン・プラジェ)
5. 大宇陀スケッチ(2017)
宇陀市立大宇陀小学校4年生を対象にしたワークショップでの成果をモンタージュした小品。
初演:奈良・町家の芸術祭「はならぁと2017」(2017年10月21日〜29日、千軒舎・大宇陀)
檜垣智也
1974年山口県生まれ。大阪芸術大学卒業。愛知県立芸術大学大学院修了。博士(芸術工学、九州大学)。フランスへ留学しアクースモニウムに出会う。 以後、世界中のアクースモニウムを演奏しながら創作・研究・教育活動を展開している。